これも刺さるぞ明日以降の自分
天津向さんの記事より
愚痴における先輩の考え方
僕は運良くいろんな芸人の先輩と飲みに行かせてもらいますが、全員がこう言います。
「文句と愚痴を言うな」
それはいろんな形で言われていますが、突き詰めると全部この一言に尽きると思います。
ロザン・菅さんには「仕事が増えたりした報告を飲みながら皆でするのが楽しいんだから、愚痴なんか聞きたくないよ」と言われたことがあります。
博多華丸・大吉の大吉さんには「僕らの会社、吉本の文句を言うやつは絶対に売れないよ。だって吉本という、同じ環境で売れている人が山ほどいるんだから。理由はそこじゃないだろう?」と言われました。
「愚痴を言うということは、その出来事自体を自分の中で解決もしていないのに、うやむやにしているんだよ」
あるスタッフさんには、こう言われました。つまり解決しようとせず、悪口言ってスッキリしているだけだと。
本当にその通りだなと思いました。愚痴なんて言ったって、何も始まらないんです。どう考えても解決の方向にはむいていません。ならば愚痴、文句は言わずその物事が一体どうすれば解決するかを考える。そっちの方が建設的なんです。
そう分かってから、僕は愚痴や文句を絶対に言わないようにしました。面白い愚痴になれば別ですが、僕はそんなことを出来るキャラではありません。
だけど僕は、全ての愚痴を言わないで済むという仏のような性格ではありませんでした。
ある日、僕はものすごく腹が立っていました。それは当時のマネージャーが同じ時間帯に別の仕事を入れてしまうダブルブッキングというミスをしてしまい、出たい番組に出られなくなってしまったからです。本人にも注意しましたが、それでもイライラは止まらず、僕は後輩に愚痴を言おうか悩んでいました。しかし愚痴を言うのは良くないし……。
いろいろ考えた結果、家に帰って枕に顔をうずめて大声で今の気持ちを言ってみました。マネージャーへのイライラを、そこにぶつけてみたのです。
すると、思った以上に気持ちが楽になりました。そして、冷静になれていました。マネージャーだってミスをしようとしてやった訳ではないだろうし、こっちも言いすぎたな、という考えまで辿り着きました。
だから僕オリジナルのやり方ですが、どうしても、どうしても腹の立つことがあってやりきれない時は枕に顔をうずめて大声を出します。そしてその後、必ずその腹が立つことがあった相手の良いところを考えます。
それをすることにより、人のせいにすることがなくなりました。正直休みが多い月なども「マネージャーが仕事してないだけじゃないの?」なんて思っていたこともありました。しかしそんなこと言っている暇があれば、自分で何か出来るはずだ。人のせいにせず、自分でなんでもする。名刺にも、電話番号とメールアドレスを入れました。名刺を持ってない人で吉本の連絡先も知らないけど僕を仕事に呼びたいという人のために、天津・向のホームページも知り合いに作ってもらいました。仕事のないことを人のせいにせず、出来る部分は自分で動こうとしたのです。
すると、名刺に書いてあるアドレスにも「仕事をお願いしたいのですが……」というメールが来たり、ホームページの方にも「こんな仕事どうですか?」という連絡が来たのです! 人のせいにしないことで、ほんの少しですがまた収入が上がりました。
愚痴は15秒まで言って良し。としよう